留守番ニッキー
「まだ痛い?」
「うん、痛い.....。」
ハンスが外で毎日楽しい時間を過ごしている一方で、絶対安静のニッキーは新しく買った犬舎の中で、昼も夜もじっとしていなきゃいけなかったの。
もちろん、トイレの時間や、たまにハンスを代わりに犬舎に入れている間、居間に出ることは許されたけど、基本的にはずっと犬舎暮らしだったわ。
もっと早く「骨折」ってわかれば、対応も早かったんだろうけど、最初に「折れてません」って言われちゃうと、やっぱり素人だから信じちゃうわよね。
いずれにしてもおてんばが過ぎたんだから、仕方ないわ。
ハンスは外から帰って来ると、いろんなことをニッキーに話していたみたいだけど、ニッキーにしたら、出かけられないのに、話ばっかりでかなりムッとしていたみたい。
でも、ニッキーはこの犬舎暮らしで貴重な体験をしたらしいのよ。
実はその頃ウチにはネコっていう動物がいたの。
私がこの家にくるずっと前からいた仙人のようなネコなんだけど、どうもニッキーは彼にいろんなことを教わったらしいの。
おもちゃの遊び方とか、手首の使い方とか..。
未だにその名残があって、ニッキーは私達とは違う手の動きをするのよ。
私達犬は、わずかに開いたドアを開けようとすると、鼻を突っ込んでみたり、前足を使おうとして、結局ドアを閉めちゃったりして、気持ちばかりはやってうまく行かないことが多いの。
でも彼女は起用に手首を回しながらわずかな隙間に手を差し込んでドアを開けるの。
ボールで遊ぶときも、ママが投げたボールを取りに行くより、自分でボールを投げ上げては、ネコのように飛びかかってまた口で投げて遊ぶのが好きなの。
そして何より大好きなのが、ネコを眺めることと、鳥をねらうこと。
あの子は絶対療養中に仙人のおじいさんに何かを教わったに違いないわ。
今でも彼女の様子を見ていると、本当は犬じゃないんじゃないかと思う時があるもの。
また長くなっちゃったわ。
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