信じられない！

★教育的指導（？）の真っ最中

昔に比べて、今はエクストリームとかアジリティとかスポーツ競技が増えて、マスコミなんかにも取り上げられたりするようになったから、ボーダーコリーの足が速いってことはみんなの知るところだけど、昔はそうでもなかったのね。
どちらかというと、ひつじを追いながら、一日中でも走り続ける長距離ランナーって思ってた人が多かった。

小さい頃、よく公園で他の犬達とボールを追いかけて遊んだんだけど、私はよそのおじちゃんやおばちゃんが投げてくれるボールは、ちょっぴり遠慮がちに追いかけていたの。
だってボールの持ち主より速く取りに行ったらまずいでしょう？
もう遊んでくれなくなったら困るし…。いろいろ気を遣ったわ。
だから、よく知らない人は、足の長いラブとかゴールデンの方が私たちより速いと思ってたのよね。ふふっ。

そのかわり、ボールが無い時に、私は走るのが好きそうな子をよく追いかけっこに誘ったの。
みんな私に誘われると、ルンルンで追いかけてくるのよね。きっと自分の方が速いと思ってたんだわ。
それでわたしは「あらっ、あなた足が速いのね。負けちゃいそうだわ」なんて言いながら、逃げ切っちゃうの。
これは本当におもしろかった。風のように走る私には誰も追いつけないのよ。

そんなある日、私は公園で初めてあった子を追いかけっこに誘ったの。
多分私よりちょっと幼い子だったと思うけど、体は私より少し大きかったわ。
ちょっぴりやせっぽちでひ弱そうだから、絶対勝てると思って走り始めたの。
その子はすぐ追いかけてきたから、いつものフレーズを言おうと振り返ったら、その子が私を追い越したのよ！信じられない！このわたくしが負ける？（お蝶夫人の気持ちがよくわかったわ）
その時ママが言ったの。セッターに勝てるわけがないって。
追いかけっこは卒業したわ。あれは子供の遊びよ。

その後は一度も追いかけっこしなかったんだけど、私のとても親しいお友達のお家に、新しく妹分が来た時は、久しぶりに追いかけっこで遊んであげたの。
ところが、その子ったら生意気にショートカットで先回りしたのよ。十年早い！しっかり喝を入れたのは言うまでも無いわ！