実家にて。
私が生まれた時、家中は大騒ぎだったみたい。
何しろ母さんは初めての出産だったし。
まだ目も見えないし、周りの様子もよくはわからなかったけど、
おっぱいの匂いと、優しく抱いてくれる暖かいぬくもりは感じられたわ。
毎日機械的におっぱいにしがみつき、出すものを出し、
兄弟よりそって寒い冬を乗り切ったっていう感じかしら。
そうそう、まだ目が見えない頃、なんか臭いところに連れて行かれて
チクッてしたと思ったらバチッて音がして、すご~く痛い思いをしたの。
思わずキャンって悲鳴をあげちゃった。
その後足に絆創膏ってやつをつけられて、
しばらくは足を触られるのがすごくイヤだった。
だから今でも爪切りとかは好きじゃないのよね。
でも、とにかく兄弟みんなでくんずほぐれつ楽しかったわ。
母さんや兄弟だけでなく、他にもおばさんやおじさんがいたし。
それから毎週のようにやってくる人間の母子がいたの。
来ると必ず私を抱いて、もういいっていうほどかまっていくの。
親の方は安心して抱かれていられたけど、
子供の方は落とされるんじゃないかって、ちょっと心配だった。
その分、足をかじってやったりしたけどね。
長くなるからこの辺で......。
注:クリスは狼爪を切られたのである。
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