あきらめることを教える
犬と暮らし始めると、人は犬に家のルールを教えていかなければいけません。
寝る場所、トイレの場所、遊んでいいものとそうでないもの、
噛んでいいものとそうでないもの。
沢山伝えなければいけないことがあります。
多くの行動は、「正の強化」を使いながら、やって欲しくない行動を出づらくすることで
愛犬の進むべき道を伝えていくことができますが、
難しいのは「あきらめること」を教えること。
そのため、あきらめやすい状況を作ったりして、環境を整えるのはハンドラーのお仕事です。
かつて、飼い主さんが食事中、おねだりしようとテーブルに手をかけるたびに叱られていた中型犬。
叱られても叱られても、手をかける行動は止まらないし、
飼い主さんもゆっくり食事が楽しめないので、
テーブルに手が届かないように係留したところ、
その犬は数分で諦めて、床で寝るという行動をとりました。
つまり、いくら要求しても要求はかなわないと自分で学習したからです。
無駄なことはしないのは、ある意味賢いから。
さて、先日小型犬のプライベートレッスンがありました。
小型犬は存在だけでも可愛いので、飼い主さんはついつい手をかけてしまいがち。
気が付くと、お互い離れられない関係になっていたりすることがよくあります。
そうなると、次に起こるのが「分離不安」。
飼い主さんは買い物にも行かれません。
そこで、普段からハウスやケージを利用しながら、
犬のいる場所をちゃんと伝えること。
飼い主さんがいないときばかりハウスやケージに入れるのではなく、
日常的に、家にいる時間であっても、犬を一人にする時間を作ることが重要です。
最初は寂しくて吠えるかもしれませんが、吠えられて相手をするのではなく、
こちら側から誘って出して遊んだりすることで、
自分の要求がいつも叶うわけではないと学んでもらうことがポイントです。
「可愛い子には旅をさせよ。」ではありませんが、
いつまでも過保護にしていると、離れられない犬になってしまうので要注意。
一人でも、落ち着いて待っていられるような環境づくりが必要です。
Tさん、最初はグイグイ要求してくるタイプでしたが、
オヤツひとつもらうのも、むしり取るのではなく、「どうぞ」と言われてから。とか、
かまって欲しくて跳びついても相手にしてもらえるわけではないと
少しずつ学習を重ねていき、あきらめることも分かってきました。
先日は自分からケージに入って落ち着くこともできました。
焦らず、理解出来るまで、ゆっくり伝えていくことが大切ですね。
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