2023年3月29日 (水)

場数は大事

様々なドッグスポーツで競技を目指す場合、当然必要なスキルを犬に教えなければいけません。
オビディエンスであれば、基礎となる動き(作業)を丁寧に教えていきますし、アジリティであれば、それぞれの障害をクリアするための体の使い方を教えなければいけませんし、ドッグダンスであれば、ヒールポジションや様々なトリックを教えてあげないとルーティン(演目)が成立しません。

では、そういったスキルを犬に伝えてあれば犬は確実に本領を発揮できるのかと言えば、答えは「否」。
犬はロボットではないので、当日の健康状態、精神状態、様々な要因が影響しあって、いつも通りに出来るかできないかは蓋を開けてみないとわからないのが現実です。

しかし、それ以外にも、「環境」が大きく関わってきます。

つまり、競技会場の雰囲気です。
初めての場所であれば、当然その場所に馴らすための時間を取らなければいけませんし、馴れた場所であっても、競技と練習では状況が違います。
恐らくハンドラーの精神状態も影響するでしょう。

そういった多くの要因を考慮したうえで、本競技に臨むわけですが、できるだけいつも通りにやるためには、本競技に近い状態での練習も欠かせません。
いわば場数です。

私も普段はほぼ一人練習が多いのですが、一人練習だけで、本番でいつも通りに出来るかと言われればやはり難しいです。

ジャッジ役やスチュワード役、競技リンクの外を歩く犬や人がいる中での練習も当然必要になります。

各パーツのスキルをあげる練習は不可欠ですが、様々な場所での、本番に近い練習もやっていかれると、犬にとってのストレスも軽減されるでしょう。

さて、今日はMくんの基礎オビディエンスのレッスンがありました。
前回の試験で、同じリンク内で作業していた犬の動きが気になっていたそうです。

ということで、今日はアシスタントにディストラクションに入ってもらいました。
他の犬が視野に入っていても、冷静に作業する練習です。

週末ワンダフルステップさん主催のドッグダンスイベントで、トリーツを持っても構わないファンクラスに参加した見習い。
見習いはこの会場での作業はすでに数回経験しているので、会場内の雰囲気に大きく影響されることなく、短いルーティンを踊ることが出来ました。

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場数は経験値をあげる上にも重要ですね。

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2023年3月28日 (火)

意図していないことも子犬は学習します

新しく犬を家族に迎えると、お家のルールを教えていかなければいけません。
例えば、ハウスに入ること、トイレの場所、人を噛まないこと、散歩の歩き方。
家庭によっては、人に跳びつかないこと、拾い食いをしないことなども。

また、犬にとってはまり心地よくはないけれども、馴れて欲しいことがあります。
例えば、散歩から帰って足を拭くことや、定期的に爪を切ること、口の周りを触らせたり、歯磨きをすることなど。

いずれも、犬の社会では不要なルールですが、人間社会での共同生活をお願いする場合は不可欠なことが沢山あります。

そういったルールをひとつひとつわかりやすく教え、飼い主としては犬が理解出来るように、時間をかけていくのですが、一生懸命伝えようとしていること以外に、犬が勝手に学習していることは沢山あります。

例えば、
飼い主がキッチンに立って、ガサガサと袋から何か出す音がすると、少し後にはごはんの時間がやってくる。
朝方、二階の方から人の足音が聞こえると、飼い主が自分のところにやってくる確率が高くなる。
飼い主に跳びつくと、飼い主が体を触ってくれる。
吠えてみると、飼い主が自分に注意を向けてくれる。
飼い主がカギを持つと、散歩に連れて行ってくれるかもしれない。
飼い主が引き出しから金属の物を出すと、爪切りが始まる。

こういったことは教えていなくても、犬たちは勝手に学習しているので、その先のことを予測して興奮したり、嫌だなと思っていなくなったりと、それなりの反応を示すようになるわけです。

特に教えたわけでもないのに、犬がこういった行動を取るのは、犬の方がよほど飼い主観察に長けているとしか言いようがありません。

いいことを予測して待っていてくれるのはいいのですが、嬉しすぎて興奮が止まらなかったりするのをなんとかしたいと思っている飼い主さんはすくなくありません。

そんな時は、犬の予想を裏切った行動を取ってみるのもいいでしょう。
つまり、いつも同じことが起こるとは限らないと学習してもらうのです。

ごはんの支度が始まると、目の前に出るまで大騒ぎが止まらない場合、すぐに配膳出来れば、目の前で犬が落ち着くのを待ってごはんをあげればいいのですが、いろいろ手作りなどで時間がかかってしまい、その間ずっと犬が大騒ぎをし続けるのであれば、そのごはんがすぐには配膳されない可能性があることを犬に学習してもらうのもひとつです。
何度か続けることで、犬はご飯はすぐには出てこないから、騒いでもすぐに出てくるわけではないと学習していくでしょう。

いずれにしても、気が付いたら愛犬の僕になっていたということがないように、いつもよきパートナーでありたいですね。

こちらは意図して、跳びつくより座った方がいいと学習サポートした結果。
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大型犬の跳びつきは、小さいお子さんやお年寄りにとっては危険この上ないもの。
嬉しくて挨拶したかっただけでも、結果がいつもいいとは限りません。
跳びつきは許可制にしてあげると危険回避しやすいですね。

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2023年3月27日 (月)

犬は本当に反抗するの?

犬にも思春期や反抗期と言われる時期があります。
まさか。と思われるかもしれませんが、子犬が大人になる過程で、ホルモンのバランスが変化すると、犬にも自制できない時期がやってくると言われています。
だからと言って、心から反抗しようと思っているわけではありません。

では、どういうことが起こるのでしょうか。

子犬の頃は飼主さんが世界のすべてでしたが、お散歩に出られるようになり、世界が広がり、好奇心や警戒心が複雑にからみあってくると、飼い主さんの声が耳に届きにくくなって、いわゆる「言うことをきかない」反抗期と言われてしまうわけです。

では、この反抗期をどう乗り切ればいいのでしょうか。

例えば、飼い主が何かお願いした時、本当に聴いていない時もあります。
ですから、一回で伝えようと思ったら、愛犬の集中がこちらに向いているときに声をかけてあげることが重要なポイントです。
そうでない場合は、一回でやらなくても気にせず、もう一回言ってあげましょう。
続けて何度も連呼する必要はありません。

二回目を言っても、犬がこちらを見て考えているようであれば、犬が行動に出るまで待ってみましょう。
(もし、犬がまだ行動を理解できていない場合は、再度きちんと教えてあげなければいけません)
犬が悩んでいる場合もあります。
犬はある意味選択肢を持っているわけですが、最終的にはお願いしたことはやってもらわないと、犬はやらなくてもいいと学習していきます。
「やれ。」と強制するのではなく、「やってもいいよ。」という気持ちにさせてあげるためには、小さいころからの基本のトレーニングが不可欠です。

小さいころから、愛犬とのコミュニケーションがちゃんと取れていれば、かつまた、日々のコミュニケーションを繰り返していけば、選択肢の中に、飼い主さんのお願いをきいてもいいよという気持ちがはいってきます。
要は習慣にすること。

今日は生後6か月のK君のプライベートレッスンがありました。

トレーニングの合間の休憩時間にハウスに入って頂くことにしたら、K君一度ハウスの前まで来て立ち止まりました。

飼い主さんの再度促されるとK君はちゃんと自分からハウスに入って、しばらく休憩していてくれました。

ハウストレーニングがちゃんと出来ているので、中でも静かにしていられるK君。
ハウスが嫌な場所ではないとわかっていても、隔離されるということは理解しているので、いったんは躊躇したK君。
しかし、K君はハウスに入ることが習慣になっていて、入ればオヤツがもらえることもわかっています。
そこで、飼い主さんに促されて自分からハウスに入ったというわけです。

日々習慣になっていなければ反射的に体が動くこともありません。
繰り返しの練習で、多少の思春期(反抗期)も乗り越えやすくなるはずです。

今日はじっと座っている時間を伸ばす練習。

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繰り返しの練習が大事ですね。
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2023年3月26日 (日)

競技会場のクレート待機

昨日今日と、ワンダフルステップスタジオさん主催のドッグダンスイベントに参加してきました。

インドアで行われるイベントでは、犬の待機場所はほぼクレート(ハウス)になります。
マット待機の場合は参加の他犬のディストラクションになってしまうことがあるためです。

クレートにはハードクレートやメッシュクレートなどがありますが、いずれにしても犬にとって安全が確保できる場所として提供する必要があります。
そのためには、普段からのクレートトレーニングで馴らしておく必要があります。

さて、我が家の見習いは家の中や車の中でのクレート待機は静かにしていられるのですが、レッスン時やイベント時、アシスタントだけ出そうとすると騒ぎます。
交替制は理解しているのですが、とりあえず存在をアピールするわけです。

さらに見習いの課題はもうひとつ。
目の前を犬が通ると刺激されて、一声二声吠えること。
見習いはどちらかというと他犬に挨拶したいタイプなので、自己アピールのようなものですが、それもやって欲しくはないので、毎回、吠えていない時を褒めています。
特に犬が通っても吠えないでいられたときは沢山褒めます。

そんなことをずっと繰り返してはいますが、イベントはそんなにしょっちゅうはないので、なかなか成果が出ません。

アシスタントは生後4か月の時に、ちょうど数日間のワークショップがあったので、故アシスタントの作業中、コングに一食分のフードを詰めて渡したところ、ワークショップが終わるころには、クレート待機に馴れてくれました。

同様のことは見習いにもやってみましたが、コングに詰めたフードを数個渡しても速攻で食べてしまうので役に立ちませんでした。
コングはあっという間にボロボロでした。

というわけで、今回の二日間のイベントで、少し静かに待てるようになった見習いです。
クレートで少し眠れるようになったと言った方がいいでしょうか。
常にクレートの中から外を見ていないと落ち着かない見習い。
カバーをかけると大騒ぎをするので、現在は開けたり閉めたりしていますが、そのうちアシスタントのように、カバーをした中で眠れるようになると信じて頑張りましょう。

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昨年までは、扉すら閉められなかったので、多少は進化していると言えます。
ゆっくり育っている見習いです。

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2023年3月25日 (土)

犬の理解度のはなし

訓練競技の課目には「常歩行進中の作業」というものがあり、ハンドラーと一緒に脚側歩行している犬に対して「立止」「伏臥」「停座」などのキューを出して、ハンドラーはそのまま歩き続けます。
犬はキューを出されたときに、出された姿勢で止まることが要求されるわけです。

このとき、「伏臥」や「停座」は明らかに犬の姿勢が変わるので、犬は即座に姿勢変更することが出来ますが、「立止」の場合は、すでに立って歩いているので、そこで「タッテ」と言われて、あわてて違う姿勢を取ったり、あるいは止まれなかったりする犬がいます。

つまり、犬は「タッテ」と言われてどうすればいいのか混乱してしまうというわけです。

中には「タッテマテ」と言うハンドラーもいます。
基本は一声符でキューを出さなければいけないので、「タッテ、マテ」ではなく、「タッテマテ」とワンワードのように言わなければいけません。
ちょっと長いですね。

我が家のアシスタントは本犬が前進中は走っていても「タッテ」で止まることが出来るのですが、サイドステップになると止まれません。
後退歩行でも「タッテ」で止まれるのに、なぜかサイドステップは勢いがついてズルズルと。

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先日の練習会では、Lくんがやはり前進中の「タッテ」で躓きました。

言葉のキューはわかりやすく出す必要があります。
例えば最初のワードが似ていると犬が勘違いするということはずっと以前にも書きました。
「スピーク(吠えろ)」と「スピン(お回り)」を、最初の二文字を聞いて動き出す犬にとってはどちらでもいいように吠えながら回ったという事例もありました。
つまり、他のキューとかぶらないキューを付けることがポイントとなります。

しかし、Lくんが立止で止まれない理由はキューのかぶりではありません。
となると、歩いているときに「タッテ」と言われることへの違和感かもしれません。

そこで、違うキューを付けてみることにしました。
我が家のアシスタントもちょっとキューを変えてみました。
果たして吉と出るか凶とでるか。

犬の気持ちになって考えてみるのも大事ですね。

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2023年3月24日 (金)

犬にもいろいろな顔がある。

最近は一般的になってきた犬の幼稚園。
利用される方の目的は様々です。

・仕事で一日不在なので、日中のQOLをあげたい。
・他の犬と遊ばせたい。
・お預け中に基本のトレーニングを入れて欲しい。
などなどでしょうか。

犬の立場からすれば、一日一人で留守番をしているよりは退屈しないで済むので、犬嫌いでなければ楽しい日々が過ごせることでしょう。

ドッグトレーナーや犬の訓練士はプロなので、犬に日常のマナーを教えることに関しては全く問題ないでしょうが、実際家の中でのライフスタイルとは違うので、トレーニングによってできることは増えても、飼い主さんとの関係性がうまくいくとは限らないことを覚えておかなくてはいけません。

例えば、幼稚園ではトイレの失敗が無くても、家の環境ではトイレが上手くできないということもあり得るということです。
パピーの場合、トレーナーは、犬に失敗させないようにトイレのタイミングに声掛けをしタリしてサポートしますが、家の中で誰も見ていなければ、間に合わなくてその場でしゃがむということもあるからです。

また、よく聞くのが、幼稚園や学校ではよくできるのに、家に帰ってくると出来ないというはなし。

これも、トレーナーや訓練士は犬に行動を伝えるタイミングがよかったり、わかりやすいサインを出していますが、飼い主さんが同じように出来るとは限らないということです。
引継ぎが大事ですね。

いずれにしても、きちんと目的を確認し、愛犬のために、上手に利用していきたいですね。

さて、今日は日中用事で留守をされる飼い主さんのご依頼で、シッティングに伺いました。

Lさんは、いつも大興奮で私を歓迎してくれるのですが、留守宅を訪問するという初めての状況で大パニック。
部屋に閉じこもって吠えて出てきません。

こんなとき、犬だから匂いもわかっているし、声もわかっているはずと思っていても、当の本犬は昼寝中に誰かが家に入ってきたことで大パニック中なので、冷静な判断が出来ません。

顔を見に行くと、ようやく気付いて歓迎してくれました。
一人でのお留守番で、さぞ怖かったことでしょう。

その後は落ち着いて簡単なトレーニングに付き合ってくれたり、お散歩も後ろ髪を引かれながら付いてきてくれました。

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いつもだと、嫌なものは嫌と言うところですが、他に頼れる人がいなかったので、仕方なくかもしれません。
ちょっと気を遣ってくれたのでしょうか。

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2023年3月23日 (木)

トリーツの意外な使い方

トリーツ(オヤツ)と言えば、当然愛犬に向かってあげるものと思っていらっしゃる方のほうが多いと思います。
確かに、愛犬が好ましい行動を取った時や、褒めてあげたいとき、ただかわいいからと、いろいろ理由はあるでしょうが、普通は愛犬の口に運んだり、愛犬の口元に向かって投げるものですが、実は他にも使い方があります。

トレーニングで呼び戻しを教えたいとき、やってきた愛犬にご褒美としてトリーツをあげると、犬はそこから離れないので、呼び戻し練習は終わってしまいます。
そこで、トリーツを犬の後方に投げてあげると、犬は取りに走っていくので、当然ハンドラ―から離れることになり、再び呼び戻しの練習ができるというわけです。

さらに、最近「食糞」の話を書いたとき、犬が食べる前に処理しましょうと書いたところ、犬と取り合いになるというご意見がありました。
そんなときも、トリーツを一粒ではなく、5~10粒排せつ物と反対方向に投げてあげれば、犬がそのトリーツを食べている間に素早く処理が出来るというわけです。

そう書くと、いつもトリーツを手に持っていなくてはいけないのかと言われそうですが、ポケットに入れたくなくても、手の届くところにケースに小分けにして置いておくと、すぐに使えると思います。

トリーツの効果的な使い方、いろいろ考えてみませんか?
ドッグトレーニングでは様々なトリーツのあげ方を効果的に使うことで、ハンドラーの傍での作業だけでなく、遠隔作業もうまく伝えられるようにしています。


蛇足ですが、散歩中犬に追いかけられたときも、トリーツをばらまいて逃げるという新手の方法もあります。
最近はあまりありませんが、時々開いている門の隙間から飛び出して来たりということがないこともありません。

相手の犬を蹴らなくてもいいように、お散歩のときはポケットにオヤツを忍ばせておくのもいいかもしれませんよ。

さて、この方は今日は足回りのカットと爪切りをやったので、途中で何度もオヤツにありつくことができました。

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頑張ったご褒美は沢山あげたいですね。
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2023年3月22日 (水)

「般化」のはなし

「いつも家では出来るのに、外では出来ない。」ということはよくある話ですが、このように、このシチュエーションならできるが、そうでないと出来ないということが無いようにすることを「般化」と言います。

例えば、向かい合って愛犬に「オスワリ」と言えば座れるのに、ソファに寝そべりながら、「オスワリ」というとやってくれないとか、両手に荷物を持っていると座ってくれないとか、ドアの向こうから声をかけるとやってくれないといった場合は「般化」が出来ていないと言っていいでしょう。

「般化」とは、そのキューを聴けば、どんなシチュエーションでも、どんなタイミングでも、行動できることを言います。

オビディエンス競技では、「常歩行進中の作業」や「招呼中の作業」のように、犬が動いているときにキューを出したとき、アイコンタクトが取れていなくてもすぐ作業が出来るかどうかを評価する課目があります。

常歩中の作業とは、愛犬とヒールウォークをしているとき、「オスワリ」や「フセ」などのキューを出し、犬は即座にその姿勢に移り、ハンドラーはそのまま歩き続けるというものです。
招呼中の作業では、犬を呼び戻しているとき、「フセ」や「タッテ」などのキューで犬の動きを止めます。

「うちは家庭犬なので、そんなことは必要ない」と思われるでしょうが、両手いっぱいの買い物をして帰ってきたとき、玄関で待っていた犬が喜んで跳びつこうとしているのを、「オスワリ」で止めることはある意味危険回避として必要でしょうし、散歩中車に跳びつこうとした犬に、背後から「フセ」と声をかけて安全を確保することも重要なトレーニングの一つです。

どんな状況でも、犬がハンドラーの声に耳を傾ける習慣をつけておくと、少しずつ出来るようになっていきます。

さて、サクラの木をバックに記念写真を撮ろうと後ろに下がった時、立ち上がりそうな犬に「オスワリ」と言って座り続けてもらうには、ハンドラーが少し離れたところからキューを言っても聴いてくれるように練習しておく必要がありますね。

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アシスタントと一緒に、視線を合わせていなくてもキューに反応する練習をした動画がこちら。
https://www.facebook.com/wanbywan.dogdance/videos/3008840262721553
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2023年3月21日 (火)

目的によってトリーツの見せ方を変える

トリーツ(ご褒美)を報酬に使うポジティブトレーニングではオヤツやフードなどの食べ物を使いますが、ただ口に放り込めばいいというものではないということを以前にも書いたような気がします。

報酬にする前にルアー(誘導)として行動を引き出すことにも使える食べ物をどう犬に見せ、犬に追わせるかも目的によって異なってきます。

一見同じように見えても、実は全く違うことを意図していることもあるので、食べ物の使い方には注意が必要ですね。


さて、今日はパピーさんのプライベートレッスンがありました。

そろそろハーネスやリードにも馴れてもらおうと思っていたところ、すでにオーナー様は用意されていたので、今日はその辺りも含めたレッスンとなりました。

両前足を入れるタイプは、犬の足を掴んでハーネスに入れなければいけません。
子犬の場合、とにかくよく動いてしまうので、頭を入れるタイプのハーネスと比べるとなかなか装着が難しいものです。

お手お代わりを教えるにはまだまだ時間がかかりそうなので、とりあえず、気にしないで装着できるようにするために、オヤツを床に撒いて、食べることに集中している間に、ササっと装着してみました。

そのあと再びオヤツに気持ちがいっている間にリードも装着。

リードを着けると、ついついリードで犬をコントロールしたくなりますが、今はリードが着いていることを気にしないでいてもらうことが第一目的。

ということで、リードは緩めに持って、オヤツを片手に犬を呼んだり、トリーツをルアーにしながら一緒に歩いて、「リードが着いていると楽しいことが始まる」ぐらいの勢いでオヤツをあげたところ、リードを気にすることなく、上手に付いてきてくれました。

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子犬の目の前でリードをブラブラさせないことも大事なポイントです。

日々の練習で、お散歩が待ち遠しくなるといいですね。


蛇足ですが、ここは同じ月齢の子が2頭いるので、1頭ずつ練習します。
もちろん、待っている子にもご褒美が出ます。
なぜなら、待つことも楽しいことにしてもらうためです。

その分ハンドラーは大忙し。
でも、手抜きをしないことがゴールへの早道ですね。

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2023年3月20日 (月)

接し方は個体に合わせて

ずっと以前のことですが、子犬の社会化の一つとして、100人の人間に抱っこさせるという可笑しなルールを提唱した方がいました。

もちろん、目的は人に馴らすためだったのですが、本当に何でも受け入れられる時期の子犬ならばまだしも、多少警戒心が出てきた子犬を無理やり知らない人に抱っこさせるということは、逆効果にもなりかねません。
なぜなら、子犬には全く選択肢が与えられないからです。

例えば、リードを緩んでいる子犬の傍に黙って立っていれば、子犬は自分から匂いを嗅ぎに来ることも選択できるし、飼い主の後ろに隠れて様子を見ることも選択できます。
しかし、逃げられない状況の抱っこを強いることは子犬にとってはとても辛い体験にもなりかねません。
オヤツなどを使って、子犬が自分から傍に寄りたい気持ちにさせてあげるという方法もありますが、無理矢理の抱っこはおすすめできません。
子犬にも選ぶ権利はあるというもの。

現に、ご近所の奥様に毎日抱っこしてもらっていたら、ある時期からご近所の奥様を見るとギャンギャン吠えて威嚇するようになったという犬もいました。

何かに馴らすというのは、犬に我慢を強いるのではなく、犬が「これくらいなら大丈夫」と許容できるようにすることです。

我が家のアシスタントは人にはフレンドリーで、知っている人には自分から寄って行って挨拶もしますが、ハグは苦手です。
ギュッとされそうになると逃げます。

ご自分のお子さんが、知らない人に、「かわいいねぇ」と抱きしめられたらどうしますか?
裁判沙汰になりかねませんが、どうも犬の権利は無視されているようですね。


さて、今日は生後6か月のKさんのプライベートレッスンがあり、ドッグランに同行しました。

他犬とは、以前ほど興奮することなく挨拶が出来るようになったそうですが、月齢的に思春期に入るので、多少警戒心も出てくるころ。
誰彼問わず仲良くできるとは限りませんし、相手の犬に威嚇されることもあるでしょう。

そんな中で、Kさんはとてもよく周りを観察しながら、時に遊びに誘ったり、時にちょっと怖くなって逃げ越しになったりと、いろいろな表情を見せてくれました。

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しつこい犬が来て尻尾が下がるようなときは、さりげなくKさんの傍に行って、相手の犬との間に入ってみます。
相手がステップバックするタイミングで、Kさんは上手に視線を外して移動しました。

時にはハンドラーのさりげない介入も必要ですね。

帰り際には、以前は外で出来なかったオモチャで飼い主さんと遊べるようになったKさん。
少しずつ余裕が出てきましたね。

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焦らず、ゆっくりサポートして行きましょう。

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