2025年5月13日 (火)

ターゲットトレーニング

犬に様々な行動を教えるときにターゲットを使うことは以前にも書いています。
ターゲットトレーニングとは、犬の体の一部を何か(ターゲット)に付けることで、犬の行動を促すトレーニングです。

ターゲットになるものは、手(ハンドターゲット)やスティック(ターゲットスティック)、マット(ターゲットマット)やプラットフォームなどがあります。

それらのターゲットに何を付けるかと言うと、犬の鼻や前肢、後肢、4足、場合によっては肩などです。

ターゲットトレーニングを始めるには、犬が自らターゲットに向かっていく気持ちを作ることが一番重要です。
ターゲットに対して期待感がないと、犬はターゲットに向かおうとしません。
それではターゲットの意味がなくなってしまいます。

ターゲットにタッチすることで、必ず報酬が出ると刷り込まれていることで、犬は進んでターゲットに向かうようになり、行動が頻出するようになるわけです。

例えばハンドターゲット。
犬がハンドラーの手のひらに鼻を付けるといいことがあると刷り込むことで、犬はハンドターゲットのキューを聞くと、喜んで飛んでくるようになります。
ある意味犬にとってはゲームなので、場合によっては「オイデ」と言われるよりも早く飛んでくるかもしれません。

犬を押したり引いたりすることなく、新しい行動を引き出すことができるターゲットトレーニング。
効果的に使うと、犬のストレスを軽減しながら、楽しいトレーニングができます。

見習いの遠隔作業をサポートするターゲットマット。
前足をターゲットに乗せながら作業するように教えています。

202505131

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月12日 (月)

犬の本能を消すことはできません。

ボーダー・コリーが動くものに反応しやすいことを知っている人は少なくありませんが、どれくらい反応するかは実際にボーダー・コリーと暮らしてみないとわかりづらいものです。

しかし、それを知っていることで、子犬を迎えて自力で散歩に出られるようになる前から、様々な刺激を見せても反応しないことを教えていくというポジティブトレーニングによって、ある程度コントロールできるようになります。

子犬の頃からの抱っこ散歩などによって、幸い我が家の犬たち(6頭のボーダー・コリー)の中で、車追い、バイク追い、自転車追いに目を血走らせる犬は1頭もいませんでしたが、1頭だけ意図せずにスケートボードに反応するようになってしまった犬がいて、耳が遠くなるまではコントロールにとても苦労したことを覚えています。

いずれにしても、動体視力のいい犬たちなので、いちいち反応しなくてもいいことを繰り返し教えていく必要があるのですが、実生活では、先ほどのスケートボードのように、意図しないこともたくさん起こるので、犬はやはりその刺激にリアクションしてしまうことがあります。

例えば、猫や鳩などは、散歩中も普通に遭遇します。
しかし、どこで遭遇するかはわからないので、練習することができません。

犬に過剰反応する場合は、ドッグランなど犬が集まる場所で環境設定しながら練習することはできますが、さすがに猫や鳩が集まる場所はそうそうありません。

たとえ過剰反応したとしても、すぐにリカバリーできるようにサポートしてあげることが重要です。


さて、我が家のお向かいには今年小学校にあがったお嬢さんがいます。
道端でご挨拶する程度の関係ですが、朝犬たちと散歩に出ようとすると、ちょうどお向かいさんの玄関ドアが開くときがあり、見習いはその都度びっくりして吠えてしまいます。
環境の変化に弱い見習いです。

2~3年前は、見習いが興奮して吠えたときにお嬢さんを泣かしたこともありました。
誰だって吠えられるのは嫌ですよね。

先日もちょうど玄関を開けた時、お向かいも登校時間で、ばったり顔があって、見習いはまた吠えてしまいました。
すかさず、「ごめんなさいね。」と声をかけると、お嬢さんは
「犬は吠えるものだから仕方ないわ。」という大人な返答。
毎回泣いていたのに、大人になられましたね。

だからと言って、吠えさせるわけにはいきません。

今日は雨上がりだったので、家の前で練習をしていたら、ちょうどお向かいの玄関が開く音がしました。

当然見習いも気持ちがそっちに行きました。

202505121

しかし、「アトヘ」と声をかけたら、すぐに脚側停座に。

202505122

吠えずにやり過ごすことができました。
当然ご褒美のオヤツはもらえます。

吠えないでいられる回数を増やしていくことで、見習いは向かいの家から人が出てきても、いちいち吠える必要がないことを学んでいきます。

罰を使わないトレーニングでは、一度で犬に覚えさせることはできませんが、好ましい行動を繰り返してもらうことで、それが習慣となっていきます。

忍耐と一貫性が不可欠ですね。

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月11日 (日)

ドッグダンストリック:Sit Up(チン)

昨日のドッグダンスグループレッスンでは、Sit Upの教え方についてもお話が出ました。
昔風に言うと「チンチン」と言われるトリックです。

何も言わなくても、オスワリの状態から前肢を床から浮かして「ちょうだい」と言っているかのように、前足でアピールする犬もいます。

基本的には小型犬の方がバランスがとりやすいので、この形を取りやすいのですが、中・大型犬も教えれば出来るようになります。

ただ、教えればみんなできるというわけではなく、バランスが取れないと、犬にやる気があってもSit Upの状態を維持するのは難しいものです。

ここでいうバランスがいつも書いている「体幹」と関係してくるわけです。

我が家のボーダー・コリーたち(6頭)の中で、教えなくても勝手にSit Upしてくれたのは1頭だけ。

202505110
※2009年、国連大学前でドッグダンスデモをやってくれたNicky

教えて出来るようになったのが2頭で、そのうちの1頭がこちら👇

202505113
※現アシスタント

現在進行形で教えているのが1頭。

いずれにしても、練習を繰り返すことで、犬は自分でバランスをとることを学習していきます。
同時に体幹も必要なので、筋トレを兼ねながら練習を繰り返していくことが大事ですね。

簡単な教え方レクチャーはこちら👇をご覧ください。



----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月10日 (土)

四足(四肢)を意識してもらう

基本的に、犬の動きは、前肢が前に進みだすことで後肢が付いていくというものです。
無意識にプレイバウのように後ろに下がる犬は別として、
犬がみずから後退歩行をすることはほとんどありません。
しかし、ドッグダンスに限らず、オビディエンス競技においては、犬に後ろに下がることをお願いすることがあります。
特にドッグダンスの場合は、サイドステップもあるので、後退歩行だけではありません。

では、どうやって後肢を上手に使えるように教えていくか。

ここで重要なのは、犬に体の使い方を先に教えておく必要があるということ。
つまり、後肢に意識をもってもらわないと、行きたい方向には行けない。
あるいは、行きたい方向に後肢を出せないことになるわけです。

後肢の意識付けには「バランスエクセサイズ」が最適です。
それは、四足にバランスよく体重を乗せることからはじまり、自分から後肢を動かせるような環境づくりをしていきます。

幸い、今日は雨だったので、家の中でアシスタントとバランスエクセサイズをやりました。
ダイジェスト的な動画を撮ったので、よろしければご覧になってみてください。





さて、今日はドッグダンスのグループレッスンがありました。

サイドステップの導入についてご質問があったので、先日見習いがやったターゲットトレーニングの動画をお見せしました。

インスタグラム:https://www.instagram.com/reel/DJZREM6z0Yj/


要は前肢を固定した状態で後肢を動かす練習をすることで、サイドステップへ移行しやすくなります。
ヒールポジションの強化でも、後肢を上手に動かすことが出来るようになります。

202505101

ひとつひとつ丁寧に伝えていきましょう。

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 9日 (金)

ドッグダンス:トリックは段階を追って教えましょう

愛犬に様々なトリックを教えるのはとても楽しいものです。
出来た時の愛犬の動きの可愛さはもちろんのこと、教えていく過程でのコミュニケーションがとても楽しかったりします。
もちろん、中には出来上がった犬が欲しいという人もいるようですが、育てていく過程を楽しむ人の方が恐らくたくさんいるはずです。

トリックを教えていく過程で大事なのは「基礎」がちゃんと出来ているかどうかです。
どんな建築物も「土台」がしっかりしていないと倒れてしまうのと同じで、ダンスのトリックも、最終形だけを教えようとしてもなかなかうまくいきません。

例えば、犬が座った状態で前足をあげる「ちょうだい」のポーズ。
教えなくても勝手にやってくれる犬もいますが、中・大型犬で自然とやる犬はあまり多くありません。

最初はきちんと座ることを教え、その後前足をあげてもバランスがとれるかどうか少しずつ練習を重ねていく必要があります。
バランスが悪いと倒れてしまったり、すぐ前足を下ろしてしまうこともあるので、まずはバランスよく体幹を鍛えることから始めるといいでしょう。

「座る」という行動一つとっても、後ろ足が上手にたためていないときちんと座れませんし、その後「伏せ」の姿勢に移行しようとしても、後ろ足が広がっていたり、崩れていると、上手に「ちょうだい」や「伏せ」も出来ません。

我が家の見習いは若干膝が外に向く傾向にあるので、現在修正中です。

202505090

同様に、人間の足の間に立って、人間の足に前足を乗せるといったトリックも、そもそも人間の足を怖がっているような犬だと上手に足間のポジションに入れないので、そこから馴らしていく必要があります。

202505091

無理に最終形にもっていくのではなく、犬が動きやすい状況や環境を整えてから次の段階に進んでいくことが重要ですね。

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 8日 (木)

面倒でもひと手間を。

今日は月に一度のラリーオビディエンスの定期レッスンでした。

レッスンは基本のトレーニングを初め、ラリーオビディエンスの課題に合わせたエクセサイズ、そのあとコースの練習を行いうのですが、今日は日常生活のお話も少しさせていただきました。
なぜなら、日常生活と全く切り離して、愛犬とドッグスポーツをすることはできないからです。

つまり、日常生活で愛犬と上手にコミュニケーションができていなければ、様々なドッグスポーツにおいて愛犬と意思の疎通を保つことが難しくなります。

ここでもよく書いている、「家で出来ることが外で出来るとは限らない。」
つまり、「家で出来ないことは、当然外では絶対出来ない。」わけです。
そもそも普段出来ていないのですから、急に本番で出来るようになるわけがありません。

さて、日常生活の話にもどすと、我が家は階段をゆっくり降りることを教えています。
なぜなら、家の中の階段はそれほど広くないので、バタバタと走って降りられると、私とぶつかって誰かが落ちないとも限らないからです。

そこで、3階から玄関のある1階に一緒に降りるときは、ゆっくり降りるように伝えています。
慌てて降りそうになっても、「ゆっくりでしょ。」と言って私が止まると、犬たちは戻って私にあわせて降りなおします。

先日散歩の途中、普段通らない道に急な階段がありました。
そこで、家の中と同じように、「ゆっくりね。」と伝えたら、2頭とも、落ち着いて降りてきました。
それを見ていた知らない年配の女性が、「あら、上手ね。」と。
毎日2回散歩に行くとき言い続けているわけですから、習慣になっている感じでしょうか。

だからと言って、どこの階段でもというわけではありません。

いつもレッスンで使わせていただいているスタジオの階段やイベントで使っている施設の階段は、犬たちも興奮しているので、ちょっと足早になったりします。
それでもしつこく、「ゆっくりね。」と言い続けるのはある意味面倒でもありますが、やらなければ犬たちはやらなくていいと学習してしまいます。

一貫性を持つことが大事。
「ちょっとぐらい。」と思ってしまうと、犬たちも、「やらなくてもいいんだ。」と学習していきます。

犬育ては時間がかかるので、根気と忍耐ですね。

どんな階段でも、「ゆっくり」お願いします。


202505081


----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 7日 (水)

「大丈夫」を増やすには。

愛犬の様々なお困りごとのひとつに「他犬への過剰反応」というものがあります。

散歩中ほかの犬を見ると吠えたり、じたばたしてしまうような犬のことです。

吠える理由はいくつかあるというのは、以前から何度も書いていることですが、理由がなんであれ、「吠える」という行動は興奮を意味しているので、犬は平常心が保たれていないことになります。

これはトレーニングでなんとかなることではありません。
この場合の吠える理由は犬の「感情」が原因だからです。

「あの犬と挨拶したい。」
「あの犬は怖いから、こっちに来てほしくない。」
「あの犬は気に入らないから、文句を言いたい。」

これらはすべて犬の「感情」が発端となっているので、トレーニングで何とかしようと思っても難しいのです。

では、どうするのか。

「脱感作」という方法を使うのが一般的です。

「脱感作」とは、「ある刺激に対する感覚の過敏性を減らすこと、またはその方法」とネットで検索すると出てきます。
つまり、ポジティブであれネガティブであれ、犬にとって刺激になっているものに対する過敏な感情を少しずつ減らしていくために、刺激に少しずつさらして馴らしていくということを繰り返し行っていくことです。

ここで大事なのは「少しずつさらす」ということで、決して急に刺激をたくさん与えることではありません。

例えば、他犬が怖くて吠えてしまう犬の周りに沢山の犬を連れてきたら、おそらく固まってしまうでしょう。
そうならないために、安全が確保できる距離で他犬を目視させることから始め、少しずつ距離を縮めていくようなシチュエーションを繰り返していくことで、次第に他犬への過剰反応を減少させていくというものです。

飼い主が隣で「大丈夫だから」と繰り返すよりも、犬が自分で「大丈夫」と確信して、自信が持てるようになることが重要です。


さて、今日は久しぶりに犬たちと公園に行ったので、帰り際に見習いのディストラクション練習をしました。

いつもの練習場所は大分馴れてきたので、他犬反応も少なくなってきましたが、たまにしか行かない公園は、出遭う犬もほぼ初めてなので、いつもの「挨拶したい!」が出やすくなります。

そこで、ドッグランの脇にある駐車場の横で、ドッグランの犬たちを横目に、加えてドッグランへ行き来する犬たちがそばを通っても平常心を保つ練習をしました。

犬に近づきたい気持ちがあっても、ハンドラーのお願いしたキュー(伏せ)をちゃんとしていることがミッションです。

202505071

よく、犬が通るときにオヤツなどのトリーツを見せて、犬が他犬を見ないようにさせる人がいますが、それでは「脱感作」になりません。
他犬がいても「大丈夫」を作るには、犬にきちんと他犬を認識させることが不可欠だからです。

見習いは他犬を見ても、じっとしていられたので、ご褒美にオヤツをもらうことができました。

202505072

3才半にして、ようやく。
まだまだ伸びしろだらけの見習いです。

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 6日 (火)

WCRL規定ラリーオビディエンス

米国WCRL規定のラリーオビディエンストライアルが2018年に大きく規定を改正した翌年2019年から、WanByWanでは年4回トライアルを開催しています。

JKC(ジャパンケネルクラブ)でも、2023年からラリーオビディエンスが正式競技となり、2024年には改定されています。

ラリーオビディエンスは欧米発祥の、一つ一つ課題をクリアしながら前に進んでいく、いわば双六のようなゲームなので、初心者にも始めやすく、シニア犬にも優しいドッグスポーツとして広まっています。

主催団体が異なっていても、課題自体は類似しているので、アジリティやディスク同様、様々の主催団体の競技に参加できます。


さて話を戻し、WCRL既定のラリーオビディエンストライアルは、オプデスさんも主催していて、WanByWan主催の競技に出たとしても、結果は本部WCRLに集約されます。

ポイントや年間ランキングに関わるためには、レベル1、レベル2、レベル3およびベテランクラスにエントリーすることが必要で、レベル1,2,3に関しては、各クラス3回、2名以上のジャッジによるクォリファイで、上位クラスのクォリファイが有効になります。
下位クラスをクォリファイしていなくても、上位クラスに参加することは可能です。
クォリファイは210点満点中170点以上です。

ポイントは190点以上に付与されるので、貯めていくと年間ランキングポイントとして有効になります。

尚、各クラス、継続して3回クォリファイすると「Award of Excellence」のタイトルも得ることができます。

課題の減点で170点未満になることはほとんどないのですが、タイムオーバーや失格条項に触れてしまうと「Award of Excellence」はもらえません。
各クラス、出場後の3回は慎重にクォリファイすることが大事ですね。
もちろん、失格があったとしても、結果3回クォリファイすれば、当然上位クラスにあがることができますが、タイトルに「Award of Excellence」は付きません。

タイトルはこれで終わりではなく、3回クォリファイすることで、参加カテゴリーがAクラスからBクラスに移るため、Bクラスでさらに10回同じクラスをクォリファイするとそれぞれチャンピョンタイトルが付与されます。

トライアルの開催数が限られているので、なかなか貯めるのは難しいですが、今回アシスタントが2021年初めてラリーオビデェインスに参加し、Level 3をクォリファイした後、Level 3Bに継続して参加していたことで、Level 3のチャンピョンシップタイトルRL3Xを獲得できました。

202505061

202505063  

何事も、目標を持つと継続しやすくなりますね。

WanByWan主催の次回のトライアルは6月14日、山中湖のドッグリゾートワフで開催予定です。
前日はコース練習会も予定しています。

詳細は以下👇でご確認ください。
http://chn.air-nifty.com/dance_with_dogs/2025/03/post-11cd78.html


----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 5日 (月)

犬のボディランゲージ:毛が立つ

今日は犬のボディランゲージのはなし。

先日アニマルセラピーの動物介在教育では、小学生たちに犬との接し方を伝える活動も行っていると書きました。
その中では、
・勝手に知らない犬に手を出さない(飼い主に聞いてから)
・犬のそばで走らない
・犬をよく観察する
と言った話もします。

子供たちの中には当然犬を怖がる子もいますが、単に怖がるのではなく、犬という動物を知って、正しい接し方をすれば怖いものではないということも教育の一環として教えていくことが大事だからです。

「犬をよく観察する」ことは、犬のボディランゲージを読むことにつながります。
もちろん、短い活動時間の中で、犬のボディランゲージすべてを伝えることはできませんが、犬が警戒しているのか親しみを持ってくれているのかを知ることはとても大事なので、一般的に尻尾を振っているときはOKというような大雑把な伝え方はしていませんでした。
つまり、尻尾の振り方によってはウェルカムではないことも伝えていくわけです。

尻尾の位置、振り方によっては、真逆の意味になっていることもあるからです。

また、尻尾ばかりに気が行ってしまい、ほかの部分を見落としてしまうことも多いので、今日はそのほかの部分のひとつ、犬の首から背中にかけての毛の状態もとても重要なボディランゲージになっているというおはなし。

人間の場合「総毛立つ」という言葉があります。
簡単な説明では「恐怖や寒さによって体中の毛が逆立つ」様をいいます。

犬の場合も同様のことが、首から背中にかけて起こります。
警戒しているとき、恐怖を感じた時に、首や背中の毛が立ちあがるのです。
英語では「raised hackles」

短毛犬種は見ていてわかりやすいです。
どういう感じかと言うと、ローデシアンリッジバックのリッジのような感じで、その部分だけの毛が立ち上がっています。

犬の毛が立っているときは、犬は警戒心全開なので、対象物が生き物でなければ、自分で確認させることで落ち着くことができますし、相手が人や犬など生き物の場合は、一度距離を取ってあげれば落ち着けます。

そのまま距離を縮めてしまうと、吠えたり、場合によっては「窮鼠猫を噛む」事態にもなりかねないので、注意が必要です。

なぜこんな話を書いたかというと、背中の毛が立つことをあまり知らない人が多いのと、長毛犬種だと目立たないため気づかなかったりして見逃してしまうことが多いからです。

毛の長い、ショータイプのボーダー・コリーでも、首の後ろの毛ははっきり立ちあがりますし、見習いのようなスムースタイプの場合は、遠目にも明らかに毛が立っているのは目視できます。

興奮がマックスにならないように、気をつけてあげられるといいですね。

ボディーランゲージについての詳細は、Lili Chinさんの「DOGGIE Language」に載っています。
日本語翻訳版も出ているので、興味がある人は是非読んでみてください。

202505051


----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2025年5月 4日 (日)

ディストラクションのはなし

いつも書いている「家では出来るのに、外で出来ない」犬のはなし。

基本的に、家の中は馴れた場所なので、犬はある程度落ち着いて作業することができるのは当たり前です。
細かく言えば、家の中と言っても、いつも練習している部屋とそうでない場所では当然反応が変わってくることもあるので、家の中だから絶対大丈夫と言えないことも事実です。

もちろん家の中と庭でも違います。

欧米の広めの家であれば、バックヤードにはリスや鳥がいたりして、まさにそれらの小動物が犬にとって大きなディストラクションとなる場合もあります。
獲物を追いたい衝動に駆られる犬たちにとって、それらの小動物の存在はポジティブディストラクションになるため、トレーニングの過程で、上手にできたご褒美として小動物を追いかけさせることもあるようです。
日本ではそうそうありえないことですね。

いずれにしても、家の中と違って家の外は全く環境が違うので、いつもできていることが外でもできるとは限らないということです。

特に若い犬の場合、いつも使っているご褒美が、外にいる犬にとっては全くご褒美にならないこともあります。

例えば、外の環境刺激が強すぎて犬が固まっている場合、食べ物が全く口にできなくなることもありますし、逆に外の刺激がリスや鳥のようにポジティブなものであれば、その刺激が強すぎて、トリーツなどは目に入らなくなったりするからです。

家で出来ることを外でも出来るように、犬が平常心を保てるようにするには、刺激レベルを少しずつ増やしていくプロセスが必要になります。

周りに子供や他犬がいて、刺激レベルが少し高いときは、敢えて難しいことを要求せず、まず鉄板の作業からお願いして、出来たことを褒めていくことを繰り返すことが不可欠です。
そのプロセスの積み重ねが、公園やドッグランなどの刺激の高い場所でも、ハンドラーのキューに耳を傾けられるようになるために重要です。

今朝の練習場所はサッカー親子とバスケ少年に挟まれたエリアでした。
お互い住み分けができていて、干渉しあわないので、よい練習場所でもあります。

見習いはそれなりに、よく集中できていました。

202505040

202505041

----------------------
トレーニングブログに参加しています。
ワンクリック👇が更新の励みになりますのでポチっとお願いします!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

«アニマルセラピーのはなし